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コロナ・インフォデミックで露になった子供の不幸せ度

子供の重症化リスク「ほぼゼロ」なのに……

■子供の幸福度が最低ランクの国

写真はイメージです

 冒頭にある、日本の子供の幸福度が38ケ国中37位の理由は、自殺率の高さ、いじめ、家庭内不和など。
 日本はいじめそのもの以外に、いじめで自殺したと思われる子供に、いじめが「あった」と、学校側か教育委員会か第三者委員会がなかなか認めないことも問題になっている。これが各自の立場の保身のためであっては決してならないが、そういう要素が少しでも含まれていたなら、マスコミに名指しされたくないから感染対策を徹底させることと、私には似て見える。
 公園で子供がケガをしたら公園を管理する自分(行政か管理会社)のせいにされるのでボール遊びや自転車の乗り入れを禁じ、誰も子供が遊ばなくなったらマスコミの大人が「なぜ子供は公園から消えた?」と書き、子供が積極的に遊ぶようPRすることを仕事にする大人が現れ、子供がまた遊ぶと近所の高齢者が「うるさい!」とクレームを入れる。
 こういう循環と、子供の重篤率がほぼゼロと知りながら大勢に検査させ、陽性者が出たら「某学校でクラスター」とテレビが名指しで騒ぎ、学校や地域が感染対策で子供の行動を制限し、自粛が明けたら「体の弱い子供が増加」とマスコミが書き、近所の高齢者が「感染しても気づかない子供(若者も)は近寄るな」と怒る循環に、類似点はないのか?
 イジメもコロナも本来は命や人生に関わる大問題だが、時が経つと大人たちの保身や商売に利用され、子供が振り回されていく。
 この先、「コロナ世代」などと枠に入れられ、さらに商売の道具として消費されるだろう。

■最後に 日本の子供の対策

 ある大学の教授が7月に、「特に30代未満では重篤者リスクが非常に低い。私個人の考えとしては、学校なども平常に戻すべきだと考えている。インフルエンザによる学級閉鎖と同様、明らかな症状が複数の人に現れる集団感染が発生して初めて、学級閉鎖や自宅待機などを行なえばよいのではないだろうか」と述べている。
 こう考える専門家は他にもいるが、テレビには呼ばれないので、多くの学校はこの選択肢を考慮しにくいのかもしれない。
 今、小学校の上級生から中・高生には、ウィルスを勉強中の子供もいるだろう。未だ無知で、子供に正しい説明もできずに行動制限を強いる大人を、冷静に見ている子供もいるのではないか。
 コロナは、感染拡大させたグローバル社会の是非や、大勢を死なせた格差拡大と超高齢化社会を世界に突きつけたが、インフォデミック被害が大きい日本は、マスコミを含めた大人の“質”も問われてくる。

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松野 大介

まつの だいすけ

1964年神奈川県出身。85年に『ライオンのいただきます』でタレントデビュー。その後『夕やけニャンニャン』『ABブラザーズのオールナイトニッポン』等出演多数。95年に文學界新人賞候補になり、同年小説デビュー。著書に『芸人失格』(幻冬舎)『バスルーム』(KKベストセラーズ)『三谷幸喜 創作を語る』(共著/講談社)等多数。沖縄在住。作家、ラジオパーソナリティー、文章講座講師を務める。

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